【2024年 最新版】不動産投資はなぜ「やめとけ」と言われるのか。よく聞くリスクとその回避策とは?
不動産投資は「やめとけ」。皆さんは、こんな意見を聞いたことがあるのではないでしょうか。他の投資商品と比較して初期費用が高く、リスクが高いイメージが定着しているからです。しかしながら、「不動産」という投資商品はずっと存在し続けています。実は不動産という商品は、リスクとリターンが他の投資商品よりも予想しやすく、それらを事前にしっかりと理解しておけば、リスクを回避できるという商品です。
今回は、不動産投資をするうえで知っておくべき代表的なリスクと、回避策を具体的に紹介していきます。
不動産投資の8つのリスク
一般的に、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資にあたります。
以下に記載するのは、代表的な8つのリスクです。
【リスクの種類】
- ・空室
- ・修繕
- ・金利の上昇
- ・家賃滞納
- ・災害
- ・倒産
- ・家賃下落
- ・不動産価値の上昇・下落
空室リスク
空室リスクとは、自身が所有している物件に対して入居者が入らず、空室が発生してしまい収入が0円になってしまうリスクです。不動産投資をする中で、1番のリスクと言えるでしょう。
では、この「空室リスクを」避けるためにはどうすればよいでしょう。
以下の2つをしっかりと押さえれば、空室リスクは大幅に抑えることができるでしょう。
- 1.好立地な物件
- 2.賃貸管理会社
まず、1つ目の「好立地な物件選び」ですが、
これは物件購入の段階で、長期的に需要が見込まれそうな立地の物件を選択するということが非常に重要です。
2つ目の「賃貸管理会社選び」ですが、
これは、入居者募集業務の強い賃貸管理会社を選んで契約を結ぶことで、いち早く入居者が入るようになるため、空室のリスクが軽減していくということです。
※空室の保証・サブリースを利用するという手段もありますが、手数料が発生するため、キャッシュフローが悪化してしまう可能性があります。
物件の購入時には、しっかりと諸条件を確認した上で選んでいきましょう。
修繕リスク
修繕リスクは、文字どおり「修繕・設備費用」が発生するリスクのことです。新築でも中古でも、ある程度時間が経てば、どこかが壊れてきたりと、修繕の必要が出てきます。
例えば、外壁の塗装、室内のリフォーム、エアコンの取替や、入居者の入退去時の原状回復工事など他にも多くの修繕リスクがあります。
予想外の出費が発生して資金が不足してしまうことの無いよう、修繕費用を収支計画に盛り込んでおく必要があります。(マンションの管理組合で積立てる修繕積立金というものもあります。)
部屋の中の設備費については、目安としてワンルームの場合は毎月約5,000~6,000円を積み立てておきましょう。
また、古くなった部屋をリフォームをすることで新築マンションと同じような状態に戻し、家賃下落を防ぐことができます。さらに、リノベーションをして、部屋に新たな機能を付加することで価値を向上させることができるというメリットもあります。
金利上昇リスク
金利上昇リスクとは、不動産投資ローンの金利が上昇するのに合わせ、支払総額が上がってしまうリスクです。
こうした金利の上昇リスクを避けるためには、
- 1.頭金を入れる
- 2.繰上返済をする
などが挙げられます。
不動産投資ローンの場合は、多くの人が変動金利を利用します。
ですので、金利上昇のリスクに対しては、投資初期に頭金を入れるか、繰上返済をすることになります。
家賃滞納リスク
家賃滞納リスクとは、入居者が家賃を滞納してしまうリスクのことです。
家賃が滞納されてしまうと、当然、オーナーへの収入が止まることになり、回収できないリスクに繋がってしまいます。
こうしたリスクを避けるには、信頼できる賃貸管理会社を選ぶことが重要です。
本業をお持ちの方が不動産投資をする場合、オーナー自身が家賃滞納リスクに対応することはなかなか難しいため、賃貸管理会社に対応を委託することがほとんどになります。契約する際に各トラブル対応についても詳しく聞くことをおすすめします。
災害リスク
災害リスクには、「地震リスク」と「火災リスク」の大きく2つがあります。
はじめに、「地震リスク」とは、地震が起きて建物に被害が及ぶリスクのことです。日本は地震大国のため、地震リスクを完全に回避することは難しいでしょう。
地震による被害を最小限にするため、以下の3つのポイントを抑えるといいでしょう。
- 1.地盤の強い地域を選ぶ
- 2.新耐震基準の物件を選ぶ
- 3.地震保険へ加入する
1.地盤の強い地域を選ぶ
国土交通省が発表している「ハザードマップポータルサイト」(※1)は、災害リスクを調べるのにとても便利です。
また、防災科学技術研究所 (J-SHIS) が提供する「地震ハザードステーション」(※2)は、地盤の強い地域を調べるのに大変便利ですので、合わせてチェックしてみるものいいでしょう。
(※1 国土交通省 「ハザードマップポータルサイト」 https://disaportal.gsi.go.jp/)
(※2 防災科学技術研究所 (J-SHIS) 「地震ハザードステーション」 https://www.j-shis.bosai.go.jp/)
2.新耐震基準の物件を選ぶ
新耐震基準とは、建築確認日が1981年6月1日以降の建築確認において適用されている基準で、それより前の旧耐震基準と区別されて使われています。
旧耐震基準では震度5に耐えることを想定していましたが、新耐震基準では震度6強・7でも倒壊しない水準を想定して作られました。
新耐震基準に基づいて建造されたマンションは、東日本大震災では倒壊が確認されませんでした。
(総務省消防庁:https://www.fdma.go.jp/disaster/higashinihon/item/higashinihon001_13_03-03-01.pdf)
3.地震保険に加入する
地震が万が一発生したときのために、地震保険に加入しておくことも重要です。地震保険は火災保険に入らないと加入できません。
地震・噴火またはこれらにより発生した津波による損害なども地震保険は保証してくれますので、必ず加入して備えるようにしておきましょう。
次に「火災リスク」です。「火災リスク」とは、火災が発生して建物に被害が及ぶリスクのことです。
火災の被害を最小限にするには、以下2つのポイントをチェックしましょう。
- 1.借主様の火災保険加入
- 2.オーナーの火災保険加入
物件を購入する際に火災保険に加入することでリスクへの対策が可能です。
例えば、ワンルームの場合だと、保険料は比較的安価なことが多いです。
倒産リスク
倒産リスクは、売主である不動産会社や、賃貸管理を委託している不動産会社が倒産してしまうリスクのことです。
万が一、管理業務を委託していた不動産会社が倒産してしまった場合は、代わりの賃貸管理会社を見つけることで対処することができます。
家賃下落リスク
一般的に、新築時をピークに家賃相場は経年劣化に合わせて、徐々に下落していきます。
例えば、東京23区ワンルームマンションの場合、新築からの10年間では、年1%程度の下落率となっています。
また、建物の価値よりも、その「立地」や「建物の利用価値」が、大きく家賃価格に影響を与えます。最寄り駅徒歩10分以内のような利用価値が高い物件を選べば、長期にわたって家賃の価格帯を維持することができます。
不動産価値の上昇・下落リスク
不動産価値は、あらゆる影響を受け、上昇も下落もするものです。
例えば、新線の開通や新たな都市開発などが行われれば、周辺の不動産価値は一気に上昇します。一方で、街自体のブランド力が低下すれば不動産価値もそれに合わせて一気に低下します。
不動産投資をするのであれば、事前に検討している地域の都市開発計画なども調べてみるといいでしょう。
不動産投資における4つのメリット
生命保険効果
不動産投資は多くの場合、ローンを組んで購入するケースがほとんどですが、その際に一般的に団体信用生命保険 (団信) に加入します。この保険は、借り入れした人が亡くなってしまった場合などに、残債が補填される制度のことです。
そのため家族には無借金の収益物件だけが残り、入居者が入り続ける限り毎月家賃収入を得られるようになるのです。
詳しくはこちらの記事もチェックしてください。
記事:【それってホント?】不動産投資は生命保険の代わりになるのは本当か。初心者にもわかりやすく解説!
節税効果
不動産投資をする上で、最大のメリットで挙げられるのが、節税効果です。不動産投資では、経費として計上できる項目が数多くあるため、「家賃収入-経費」で計算される不動産所得を抑えられます。また、物件取得にかかる費用を毎年減価償却費として経費に計上することができるので、他の投資と比べて税務上の所得を抑えやすいと言えます。
また、物件の購入時にローンを組んだ場合、借入金利子も経費計上できます。そのため、所得税や住民税の節税にも役立ちます。
気になる方は、気軽に不動産会社に相談してみるのもいいでしょう。
相続対策
相続をする際、現金資産における相続税評価額は額面通りの金額になりますが、これが不動産の場合だと、評価額は大きく下がります。そのため、相続税における節税効果が高い商品であると言えます。
また、相続税評価額が下がっても資産価値は落ちませんので、資産価値はそのままで相続できるのもメリットです。
レバレッジ効果
そもそも、レバレッジ効果とは「小さな資金で投資効果を上げたうえに収益性を高める」効果のことを言います。不動産投資では、ローンの利用によって、小さい自己資金で高額な資産を取得できるので、レバレッジ効果が高い投資商品と言えます。
場合によっては、フルローンで物件を購入できてしまうこともあるので、レバレッジ効果が非常に高いです。
まとめ
本記事で記載させていただきました通り、不動産投資には様々なリスクが存在します。
しかし、種類や対策をしっかり理解しておけば、リスクを低減することができます。
また、物件や周辺の状況によってリスクの種類が異なる場合がありますので、購入する前には信頼できる不動産業者を見つけて綿密なシミュレーションを立ててもらうことが重要です。
これらの記事を参考にしていただき、スムーズな不動産投資を行えるようにしましょう。